インド人はヒンディー語の文字を使わない?ヒンディー語はアルファベットで勉強していい?

こんにちは!ヒンディー語教師のまよです!

本日は、「最近のインド人は、デーヴァナーガリー文字(ヒンディー語の文字)でタイプできない人が多い」件についてお話しします。

ヒンディー語では、デーヴァナーガリー文字という文字を用います。ただ、最近のインド人はアルファベットでヒンディー語をタイプする人が非常に多いです。 理由は2つ。

1つ目の理由は、単純に、「ヒンディー語の文字をスマホでタイプするのが面倒orデーヴァナーガリー文字のキーボードを使える設定にしていない」ことです。

ただし、実際のところ、ほとんどのスマホではデーヴァナーガリー文字の設定が簡単にできますし、最近のキーボードは予測変換があるので、タイプもしやすいです。でも、それをしていない人が多い理由は、根本的に必要だと思っていないからなのでしょう。

そもそも、多くのインド人(日本人が仕事等で出会うインド人は特に)は、ヒンディー語をタイプするのと同じくらい or それ以上に、英語でタイプします。その場合、キーボードは英語設定です。次に、ヒンディー語をタイプする時、わざわざヒンディー語のキーボードを選択するより、アルファベットのままタイプする方が、一手間省けて、楽なワケです。

2つ目の理由は、「ヒンディー語の文字を読めないから」です。

これは、ヒンディー語が母語でないインド人に当てはまる理由です。

インドには多くの言語が存在します。その中でもヒンディー語は一番話者の多い言語で、英語と並び、意思疎通のための言語として用いられます。ヒンディー語非母語話者の中には、「話せるけど、文字は書けない」という人も一定数いるため、そう言う人はアルファベットでヒンディー語を表記します。

以上の理由から、多くのインド人がアルファベットでヒンディー語の文字をタイプしています。

ただ、これに戸惑うのが、必死にデーヴァナーガリー文字を覚えて勉強している外国人ヒンディー語学習者(笑)

ヒンディー語の文字には、アルファベットやカタカナで書き表せない独特の発音の文字がいくつかありますが、それをアルファベットで表記するときは、かなり適当です。
つまり、アルファベットで表記している限り、「このスペルが正解!」と言う概念がなく、人によってバラバラな表記となっていきます。
そうなると、外国人ヒンディー語学習者は、簡単な文章でも全くわからなかったり、知らない単語に遭遇した時に辞書を引くことができなかったりと、苦労が絶えません(笑)

では、いっそ、ヒンディー語をアルファベットで学んでしまえばいいではないか!と思うかもしれませんね。はい、その通りです(笑)
私は、大阪大学外国学部ヒンディー語専攻卒業として、長きに渡り、「ヒンディー語を学ぶなら、まずは文字を覚えなさい!」と口を酸っぱくして言って来ました。
正しい発音を身につけるには、デーヴァナーガリー文字は必須だと信じていますし、文字がわからなければ使用できる辞書や教材は限られてくるからです。

ただ、上記に述べた理由から、インド人でさえ、デーヴァナーガリー文字を使用しなくなって来ている昨今に、本当にデーヴァナーガリー文字を覚える必要があるのか?
いや、むしろ、アルファベットで読み書きできた方が、より実践的なのではないか?と言う疑問は常に頭にあります。

結局のところ、文字を覚えるかどうかは、学習者の目的によると思います。
できるだけ早く、実践的なヒンディー語を身につけたいならアルファベットで学んだ方が良いと思いますし、正しい発音を身につけたいなら、文字をまずきっちり身につけることをお勧めします。

ちなみに、ヒンディー語の文字はローマ字のような雰囲気で、KとIを組み合わせたら、「KI(キ)」になるといった具合で、かなり簡単な構成です。 気合を入れれば、1週間で覚えられます。ただ、これは地頭が良いorスパルタ学習に慣れた人orめちゃくちゃやる気のある人の感覚で。。。

実際には、数ヶ月経ってもなかなか覚えられない人もいます。(実際私も、ヒンディー語は1週間で覚えましたが、一年前に始めたタミル語の文字はまだ覚えていませんw) 文字が覚えられないと、最初の一歩で出鼻を挫かれ、なかなか先の学習に進めず辛い思いをすることになります。
そうなるくらいなら、アルファベットで学習し始めるのをお勧めします。

ヒンディー語をこれから学ぼうというみなさんは、ぜひ、ご自分の目標に合わせて、文字を覚えるかどうかを判断してくださいね!

アルファベットでヒンディー語を学習したい方向けに、Udemyでヒンディー語基本コースを作成しました!かなり、しっかりと分かりやすく説明していますので、ぜひチェックしてみてくださいね!

・大阪大学ヒンディー語専攻卒業 →1年半インドに留学(その間大学は休学) ・現在外資系コンサルタント1年目