卒業生だから語れる?!大阪大学ヒンディー語専攻の光と闇。

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こんにちは。マヨです。

私は半年前(2017年3月)に大阪大学 外国語学部 ヒンディー語専攻 を卒業しました。

実は、高校3年生の受験前、「私はヒンディー語を4年間も勉強できるのか?嫌いにならないのか?」と不安でいっぱいでした。

ヒンディー語を専攻すると決めた理由は、
①大学4年間遊んで終わらないために、何かしら能力をつけたかった。
②インドは今後急成長していく国であり、ビジネスチャンスがたくさんあるから。
③父がヒマラヤ登山家で、「インドってすごくいいぞー」と洗脳されたから。
④大阪大学は難関として知られておりネームバリューがあるが、その中でヒンディー語専攻(及びその他のマイナー言語)は比較的入りやすいから。
⑤トライリンガル❤︎という響きを自分のものにしたかったから。

 

ちょっと待てよ。。。。
「最初からインド愛してたわけじゃなかったんかーい!!!」

 

そうです。私は別に、インドが好きで好きでヒンディー語に入ったわけではないのです。
そのため、受験前はよく「インドを好きでもない自分が大学で4年間も勉強できるのか?」不安でたまらなかったんです。

 

実際、私は大学生活5年間(留学して1年延びた)を通して、インドがとっても好きになり、トライリンガルにもなることができました。(英語はもともと話せませんでしたが、インド留学中に話せるようになりました。)

 

大学での授業や生活は、「光」「闇」が入り混じるものでした。
他の学部に入学したほうが良かったかな?と悩んだ時期もありました。
でも、卒業した今では、ヒンディー語専攻に入って本当に良かったなと感じています。

 

今日は、そんな「光」と「闇」をご紹介します。
闇っぽいところは青色で、光っぽいところは赤色で強調しながら書きます。
もし、大阪大学を目指す高校生がいたら、この記事を読んで、納得して受験・入学を決めてもらえたら嬉しいです。

 

ヒンディー語専攻の教育環境

①授業構成について

【教師】
日本人教師3名、ネイティブ教師1名

 

【授業】

1年生:1日1クラス(90分)程度。週5日なので、1週間に5クラス。すべてが必須授業であるため、5つのクラスのうち1つでも単位を落とすと留年である。授業構成は、日本人教師が読み書き・文法を教えて、ネイティブインド人講師が会話や詩などを教える。

2年生:1日1クラス(90分)程度。2年生でもすべての授業が必須であるため、留年の危険性がある。授業は、日本人教師は、ヒンディー語文学の日本語訳、ネイティブインド人教師は詩・ライティング・リーティングを教える。

3・4年生:選択授業となり、ヒンディー語・インド文化・その他南アジアの言語など、好きな授業を受ける。3年生以降は、「これを落としたら留年」という授業はない+苦手な授業は避けられるため、普通に授業をうければ卒業はほぼ確定する。また、2・3年次で真面目に授業を受けておけば、4年時にはほぼ授業がなくなり、卒業論文を書くだけとなる。

 

②授業の質
授業の質は決して良いとは思わなかった。

教師陣は間違いなく日本のヒンディー語研究の第一人者である。
教師陣の知識には、本当に脱帽する。インドの小ネタなんかも面白い。
しかし、ヒンディー語の知識がすごいことイコール教えるのが上手なわけではない。
教授陣は、生徒にわかりやすく教えようとする気持ち・努力にかけていたように思う。
教材は作成せず全て市販のものであるが、日本語で優れた教科書はないため英語で書かれたものが多い。ヒンディー語は日本語に近いため、日本語で学ぶ方が効率が良い。そこに英語が介在すると、非常にわかりにくくなる。
そもそも、教師人同士が共同で教育カリキュラムを作成していないため、授業内容に偏りがある。

また、生徒のニーズ全く合っていない授業が多い。
生徒の中でヒンディー語学者になりたい人はほぼいない。
多くの生徒は、「話せるようになりたい」という欲求の方が、「難しい文献を読めるようになりたい」という欲求より大きい。
しかし、授業では「マハーバーラタ」「ラーマーヤナ」など古典叙事詩や、50年前の旅行本などの日本語訳を実施する。しかも、本自体が古いとミスプリやスペルミスで辞書を引いても単語が見つからないなど面倒なことが頻繁に起こる。

ま、大学は学術機関であり、教育機関ではないと言われればそれまでだ。
しかし、学生の中には高い授業料を寝食削ってバイトして払っているのだ。
そういう現実を理解して、もっと効率的で質の高い授業を提供してほしい。

 

③地獄のヒンディー
大阪大学の外国語学部では、地獄のヒンディー、灼熱のアラビア、情熱のスペイン、極寒のロシアという言い伝えのようなものがあり、それぞれ、語学としての難しさや教師の厳しさにより単位を落としやすいと言われている。(教師の入れ替わりにより多少は変化する。)

ヒンディー語は「地獄のヒンディー」と呼ばれている。
その原因は、テストで合格点に達しない限り、バッサリ単位を落とされ留年するからだ。
近年では、教師陣が丸くなり留年者は減少傾向にあるため、真面目にやれば留年することは無くなってきている。

しかし、地獄といえば地獄だった。その原因は、予習量であった。
リーディングの授業が必要以上に多く、辞書をひいてヒンディー語を和訳する予習がひどく多かった。

1年生の頃は予習する量は少ない。
2年生になると、ヒンディー語文献を日本語訳をするという予習が欠かせない。
結構な量の難しい文章をヒンディー語から日本語に訳する。しかし、1年学習しただけの生徒にとって難しい文章は歯が立たず、全体の70%ぐらいの単語を辞書で調べる必要がある。膨大な量だ。そんな膨大な単語を全て覚えられるはずもなく、辞書を引く作業はただの徒労に終わる。90分の授業のために8時間くらい予習をするのはザラであった。こういった生活はヒンディー語が好きになれない人にとっては本当に辛く、授業中泣き出す人までいた(笑)
3年生は、2年生の延長でヒンディー語文献のヒンディー語訳が主であるが、慣れと単語力向上でいくらか楽になった。
4年生になると、授業はほぼなくなり、卒業論文になるため、予習はなかった。

 

もちろん、生徒もバカではないため、「予習Line」を作って予習を分担するなどしていたが、それでも本当に大変だった。同級にも留年した人は一定数いた。

辞書の大きさを示すためにペットボトルと並べて写真をパシャり。(大学時代の予習に明け暮れる深夜)

 

④生徒のやる気、広がる格差

そもそも、入学する生徒の中でもともとインドを愛している人はあまりいない。
意外かもしれないが、ほとんどは、「大阪大学に入りたかったから」「なんとなく良いと思った」程度のモチベーションだ。
その結果、生徒の中には当然、やる気を出せる者とそうでない者がいる。

めちゃくちゃやる気のある者(私だよ!)は、まじめに予習・授業・テスト勉強に取り組む。また、インドカレー屋でバイトしたりインド映画を見たりする。
そうしていると、2年生の頃にはまあまあペラペラになる。(生徒全体の1割)

一方、やる気のない者はその真逆。授業にこない、テストは悪い点しか取れない。

普通にある程度のやる気を持ってなんとかテストを切り抜けている人が大半を占める。

 

やる気のある者と無い者の間の格差は、学年が上がるごとに広がる。
ただ、やる気のある者もない者も、それなりに協力して頑張って卒業しようとするため、絆はかなり深まる。

ヒンディー語専攻に入学しても、実際に勉強しなければ語学は身につかない。
肌感覚だが、まじめに頑張った2割くらいの人が、卒業するまでにヒンディー語を話せるようになる。
あとの人たちは残念ながらまともにヒンディー語を話せないまま卒業する。(話せなくてもテストを切り抜けたらちゃんと卒業できる。)

 

授業以外のヒンディー語・インド的活動

①語劇

外国語学部は年に1度「語劇祭」を開催している。ヒンディー語専攻も、希望者がいれば語劇祭に参加できる。また、インド領事館での公演可能だ。
練習などはとても大変だが、ヒンディー語を伸ばせる良い機会である。普段なかなか交流しない上級生とも密にコミュニケーションをとり、情報収集もできる。
私も在学中2回ほど参加した。確かに、台本を暗記したり練習したりとても大変だったが、ヒンディー語力は向上した気がした。

 

語劇の最後のダンスシーン

②留学

外国語学部は、留学する人が多い。
ヒンディー語専攻(私の代)では、生徒の約20人中10名程度がどこかしら海外に留学し、そのうち半分の5名程度の渡航先はインドだった。意外とインドに留学する人は少ない。
留学先はデリーが主。単位交換できる大学がもともとインドにはなく、現教授陣が提携校作りに躍起になっているようだが、成功したかどうかはよく分からない。
私は自費で「Kendriya Hindi Sansthan」というデリーの政府系ヒンディー語語各学校に留学したが、授業の質が低かったため、真面目に授業は受けなかった。

留学先はともかく、留学自体は自分の人間としての幅を広げるとても良い機会だった。
留学で卒業が遅れるのが普通だという大学の風潮はとても良いと感じた。

 

大阪大学の一部としてのバラエティに富んだ環境

もともとは大阪外国語大学であったが、2007年に大阪大学と合併した。
そのため、外語大時代にはなかった恩恵が受けられる。
ライバル大学の東京外国語大学と大阪大学外国語学部で悩んでいる受験生には考慮してもらいたい利点だ。

①他学部の授業も受けられる&他学部に転籍可能

1年生の頃は「一般教養」として大阪大学の他学部の生徒と一緒に授業を受けることが多い。
非常に種類豊富な授業を受けられる。
また、入学後、どうしてもヒンディー語好きになれない場合は、他学部に転籍することも可能。
※もちろん、転籍に伴い試験はある。
毎年、外国語学部からその他の学部への転籍は多い。

 

他学部の生徒や留学生との交流

他学部の学生と交流があるのは、合併の何よりの利点だったと思う。
授業やサークルで他の趣味・嗜好を持った人(かつ、頭がいい)と交流を持つことは、人間としての幅が広がる。

また、留学生との交流も広がる。
意外かもしれないが、外国語学部は国際色豊かそうだが、留学生は少ない。よく考えたら当たり前だ。外国人は日本語を勉強しにくるわけで、日本語以外の外国語を日本の大学で勉強するわけない。
しかし、外国語学部以外、とりわけ理系は外国人留学生が多い。
一般教養の授業や、ENGLISH CAFEなどのイベントで交流の輪を広げられる。

 

③就活において大阪大学のネームバリューはやはりデカイ

「最近は大学のネームバリューはあまり関係ない。」などという戯言を耳にするが、有名企業に入りたければ、ネームバリューは必要。

私はBIG 4のうちの1つの、外資系コンサルティング会社に就職した。
他にも5大商社にエントリーしていた。

私の就活経験から言うと、書類審査の後、2次のグループディスカッションやグループ面接に進むと、ほぼ全員が有名大学だ。
この時代、マイナビ等が普及し、簡単にエントリーできる分、1社にエントリーする就活生の数が多い。
当然、全員のエントリーシートを熟読していられない。
結局、足切りとして大学レベルを使うことになる。
有名大学の肩書きがなければ、有名企業ではスタートラインにさえ立てない。

もちろん全ての会社がそうとは言えないが、私の見てきた大企業はどこもそんな感じだった。

そう考えると、大学名目当てで大阪大学の比較的入りやすいマイナー言語を志望するのは、立派な戦略だと私は思う。

就職先であるが、
私を含めてほとんどはインドとは特に関係のない会社に就職する。
私の代では、タタ・コンサルタンシー(インドのIT系コンサル会社)に1人いったが、それ以外はインドとは関係ない会社に就職した。

 

それでも私は、大阪大学外国語学部ヒンディー語専攻を選んで本当に良かったと思う。

色々と書いた。

結論からいうと、私は大阪大学ヒンディー語専攻に入学し、理不尽な授業に耐えながらも努力して本当に良かったと感じている。
インドを嫌いになりそうな時は幾度もあったが、
結果的にインドを大好きになり、留学をし、ヒンディー語専攻でなければ絶対に得られない貴重な経験を得ることができた。

多くの大学は、未だに昔ながらの非効率な授業を実施している。
時代に合わせて変わっていくべきだが、私の知る限り大阪大学外国語学部ヒンディー語専攻はまだ変わっていない。

ぜひ、在学生や今後入学する生徒が率先して教育環境を変えていってほしい。
(教師側からの変革は起きないと思っている。。。)

なんだかんだ書きましたが、
大学生活を楽しむかどうかは結局は自分自身。
自分で納得して入学を決めたならば、どんなに厳しい環境でもどこかに楽しみを見出して頑張って行ってもらいたい。

 

 

おしまい。

 

2 件のコメント

  1. Hidaka 返信

    大阪大学のヒンディー語専攻に在籍してる学生です
    高校時代にネットを検索してもあまりヒンディー語専攻について知ることのできるサイトがなく困っていた自分にとったらこのサイトはこれから阪大のヒンディー語専攻に入ろうと考えている学生にはとてもありがたいものになると思います。これからも頑張ってください!
    बहुत धन्यवाद!

  2. ピンバック: インドで働く卒業生が語る、東京外国語大学ヒンディー語専攻 – デリーの休日

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