[Netflix]インドのドラマ「レイラ」|階級制がより強化された近未来の架空の国の話。

2019年6月から、新たなインドのNetflixドラマがスタートしました!

タイトルは、Leila(邦題:レイラ)です。

このドラマは、近未来のインドを描いたフィクションです。

最初に言っておきますが、この作品は、インドで、圧倒的に低評価です(笑)
IMDbの星の数は、3.7ですw
星10個をつけている人が15%で、星1つをつけている人が66%です。

Netflixドラマ「レイラ」の評価
Netflixドラマ「レイラ」の評価

完全に、評価が2極化してますw

ということで本日はこの、論争を呼んでいるドラマが、どんなものなのかをご紹介します!

 

インドのNetflixドラマ「レイラ」あらすじ

時代設定

近未来(2047年)の、「アリヤヴァルタ」という架空の国のお話。

このアリヤヴァルタ国では、血統と階級が厳しく分離されています。

罪を犯した人間は、強制収容所に連れて行かれ、奴隷として、与えられた仕事をしなければいけません。
上級階級の人間は、奴隷を使いながら優雅な生活を送っています。

言論の自由はなく、特定の音楽や詩は禁止されており、どんな時でも「アリヤヴァルタ万歳」と叫ぶことが求められます。

深刻な環境汚染により、雨は真っ黒に。国全体が水不足に国全体が水不足に陥っています。

 

ストーリー

主人公「シャリニ」は、夫と娘と一緒に、比較的優雅な生活を送っていました。

しかし、ある日、夫が異教徒であるという理由で、当局に捕まり、「純潔を取り戻すための訓練施設」に入れられます。
夫は、当局に殺され、娘は行方不明に。

2年間の訓練施設での修行を通しても「純潔」を取り戻せなかったシャリニは、強制収容所に送られます。
シャリニは、奴隷として労働に従事しながら、危険を冒して、行方不明の娘の跡を追います。

 

架空の話だが、実際はヒンドゥーとムスリムを描いている?

「架空の話であり、特定の組織を非難するものではありません。」という趣旨のテロップが作品の最初に出ます。
しかし、実際には、ヒンドゥーとムスリムが混じり合うインドの架空の近未来を描いている作品です。

アリヤヴァルタ国は、ヒンドゥー至上主義の国。
カースト制度のようなもので完全に階級化され、一番下の階級は奴隷として扱われます。
ヒンドゥー教徒とムスリム教徒の結婚は基本的に許されていません。
ヒンドゥー教徒とムスリム教徒の子供は、「混血」として当局に没収され、商品として売り飛ばされます。

 

ヒンドゥー教批判の作品だとして多くのヒンドゥー教徒がバッシング

インド国内では低評価

ヒンドゥー至上主義の世界を架空の国として設定、その権力にまみれた当局と残虐な世界をドラマチックに演出している作品です。
当然、多くのヒンドゥー教徒がこの作品を痛烈に批判しています。

以下、IMDbのレビューの抜粋

 

レビュー(1)

理由なきヒンドゥー教批判
Netflixは「ghoul」と同じことをした。日々、インドとヒンドゥー教の間違ったイメージを作り出している。彼らは、他の宗教に関する映画やドラマを作る度胸はない。そして、もっとも平和的で辛抱強い宗教をターゲットにしている。

 

レビュー(2)

ヒンドゥー・フォビア(ヒンドゥー教恐怖症)から生まれたシリーズ
どうして、1つの宗教をこんなに嫌うことができるの?彼らの自分の宗教も同じなの?彼らはお金のためならなんでもするの?このNetflixのシリーズが配信停止られることを祈る。 

 

こんな具合で、「ヒンドゥー教を批判する目的で作成されているもの」とというコメントがズラ〜っと並んでいます。

 

高評価もチラホラ

低評価が大多数であるものの、高評価をつける人も一定数います。

レビュー(3)

傑作
反ユートピアのジャンルをインド視聴者に届けてくれたクリエーターの人々を賞賛する。私たちは、レベルの低いVFX(ビジュアル効果)を批判するのではなく、むしろこのようなジャンルを歓迎するべきだ。私はよくできた作品だと感じだ。宗教的な緊張を理由にこの作品を低評価する人々は、「アリヤヴァルタ」の支持者に他ならない。全てを忘れて、この芸術作品を楽しもう。

 

 

ドラマを作品と見るか、政治的と見るか

冒頭にお見せした通り、このドラマの評価は2極化しています。

Netflixドラマ「レイラ」の評価
Netflixドラマ「レイラ」の評価

これは、作品として評価している15%の人々と、
ヒンドゥー教非難として低評価している66%なのかなと思います。

 

マヨの感想

個人的には、このドラマはめっちゃ面白いと思います!
物語はまだ続いていて、結末はまだなので、この後どうなるのか楽しみです。

作品として、面白いと思ったよ!
何より、世界観が面白いと思いました。
インド社会と、北朝鮮の共産主義と、ヒトラー独裁下の規則と、カイジの階級社会を合わせたような、架空の社会を描いていて、非日常のものとして楽しめました。ただ、画面と雰囲気が暗いので、見ていてハッピーになれるものではありませんw

格差・階級・差別ってなんだろう?
また、サーバントを使う側だったシャリニが、サーバントになり、全く逆の立場を経験する中で、「階級ってなんだろう?」と考えさせられました。カーストや階級というのは、「大多数の人がそう信じるから、そうなのである」という根拠のない者なのだなあ。と改めて感じました。

ヒンドゥー教のイメージは悪くならないと思ったよ!
多くのインド人が「これはヒンドゥー教非難だ。ヒンドゥー教の悪いイメージを世界に植え付けようとしている」と言っていますが、私はこのドラマを見てヒンドゥー教を悪く思う人はほとんどいないと思います。あまりにも架空の設定すぎて、現実世界のヒンドゥー教徒とは結び付けられませんでした。製作者側にヒンドゥー教を非難する意図があったのかどうかはわかりませんが。。。。

ヒンディー語の学習としてはとってもいいよ!
この映画の社会では、英語ではなくヒンディー語を使うことが正しいとされているようです。そのため、使用されているヒンディー語の語彙が高い!サンスクリット由来の難しい単語がたくさん出てきます。また、ヒンディー語の字幕が用意されているので、意味やスペルを確認するのにも最適です!上級者のヒンディー語学習教材として有能だと思いました!

Netflixは最近攻めた作品が多い!
Netflixのインド系の作品は結構みますが、最近は攻めた作品が多いように思います。デリーのレイプ事件の話、インドで一番有名なAV女優の話、聖なるゲーム、グールなどです。聖なるゲーム、グールはまだみていないのですが、この2つもヒンドゥー教非難を含む内容だそうです。そのため、「Netflixはヒンドゥー教批判ばかりしている」と多くのインド人が感じているようです。中には、「Netflixの契約を解除した」と言っている人も多数います。なかなかの攻め具合だな〜と思っています。

 

まとめ

賛否両論ある作品です。個人的には楽しんで見ています。

まだ、シリーズは始まったばかりで、結末がどうなるかわかりません。
シリーズが終わったら追記します〜

ご興味があれば、見てみてください。

・大阪大学ヒンディー語専攻卒業 →1年半インドに留学(その間大学は休学) ・現在外資系コンサルタント1年目