ダウリー(結婚持参金)て知ってますか?
ダウリーは昔からあるインドの慣習ですが、これは時に、花嫁の死をも招く恐ろしいものです。
今日は、「ダウリーってなに?」というところから、実際にどのくらいの花嫁が死に至っているのかを数字と共に述べていきます。
ダウリーとは?
結婚時に花嫁側の家族が、花婿側の家族に持参金(お金、宝石、車など)を渡すというものです。インド、パキスタン、バングラデシュ、イランで行われている慣習です。
この持参金の額は、半端ではなく、花婿側の一年分の給料程度までもを請求する場合もあります。
花嫁側の家族は、そのお金を必死に貯めますし、必要があれば借金までするケースもあります。
その金額は、色々な条件に応じて変化します。
その条件をまとめたブログが面白いので、そのブログから抜粋します。
●花嫁の家族がリッチかどうか、
→リッチな場合は、当然ダウリーが値上がり
●花嫁に姉妹がいるか、
→姉がいる場合、姉のダウリーが基準になり、基準以下には下げられない
●花嫁に兄弟がいるか、
→兄弟がいなければ、相続ライバルがいないため、相続分をダウリーに前借りできる
●花嫁の身長が高いか
→高すぎると、結婚しづらいためダウリーが値上がり
2statesという、現代のインドの週をまたぐ恋愛を描いた作品ですが、
その中にダウリーに関するシーンが出てきます。
Dowryとしてもらった車が予想よりも小さいために、結婚当日に花婿の家族がごねています。
そこで、アーリヤ・バートが花婿を一括し、花婿に家族を説得させ、状況を丸く収めるシーンです。(動画はヒンディー語だけなので、雰囲気だけで見てください。。。)
アーリヤ・バート、よくぞ言った!!!!
とYouTubeで賞賛されています。
この映画は私もとってもオススメです!
ヒンディー語が日常会話に近いので、ヒンディー語の学習に最適ですよー!
残念ながら、日本語字幕付きのDVDはありません。
英語字幕orヒンディー語でお楽しみください。
ダウリーは法律で禁止されている
ダウリーは、1961年に法律で禁止されており、6ヶ月以下の懲役か、 ₹5,000以下の罰金が課せられる場合があります。しかし、実際は文化として染み付いており、黙認されているのが現状です。
ダウリーにより、女性の割合が少ない
ダウリーは、花嫁側の家族が花婿側の家族に渡します。
つまり、家族に娘がいればお金がかかりますし、息子がいればお金がもらえます。
そのため、親はしばしば、娘が生まれることを望みません。
インドで退治の性別診断は禁止されています。
しかし、中産階級の親の中には闇医者に行き、お腹の中の子供が男か女かを判定してもらい、
子供が女だったら中絶するケースがあります。
その結果、出生児の男女の不均衡が生じています。
男の子の新生児1000人に対し、女の子の新生児は900人前後となっています。
この不均衡は、パンジャーブ地方などダウリー文化が浸透しているところほど大きくなっています。
ダウリーによる自殺・殺人
ダウリーは結婚持参金であり、花嫁側から花婿側の家族に送られるもので、悪しき慣習ですが人が死ぬようなものではない気がしますよね?
しかし、満足なダウリーが払えなかった場合、
花嫁は花婿側の家族や花婿本人から責め立てられる場合があります。
そのいじめに耐えられず、花嫁が自殺するケースが多くあります。
実家を離れて見ず知らずの家に嫁ぎ、家族ぐるみでいじめられたら、確かに精神的に参ってしまうのでしょう。
また、自殺に見せかけて殺すケースもあるそうです。
花嫁が死ねば、第二の花嫁をもらい、ダウリーも再度もらうことができるからです。
この、ダウリーによる自殺・殺害の件数は、下記の通り。
かなりの人が亡くなっていますが、このほとんどは自殺として処理されるため、花婿の家族側が起訴されることは35%のみだそうです。
まとめ:ダウリーは廃止すべき
私は、海外の文化を、先進国の立場から「廃止すべし」というのは嫌いです。
しかし、このダウリーに関しては、絶対に廃止すべきだと考えています。
インドの女性はダウリーによりとても苦しんでおり、女性たちが廃止を望んでいるのは明らかだからです。
また、ダウリーは女性を蔑視する原因にもなっていると思います。
「女性より男性が望まれる」世界であれば、女性が蔑視されるのは、当然です。
全ての男性が「女性を尊敬すべき」と思っていれば、レイプの件数も減ると思います。
しかし、政府による取り締まりの強化には限界もあります。
ダウリーを完全に廃止するには、インド人の価値観を変えることが不可欠です。
ダウリーによる様々な社会問題について日頃から積極的に議論する、男性陣が率先してダウリーへの反対を表明する、など、個人個人が草の根的に、ダウリー廃止に向けて努力してほしいと思います。
おしまい。