インド新幹線計画が現地から反対の声?立ち退き拒否?ムンバイ~アーメダバード間

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インドでは、「インド高速鉄道計画」といって、「インドで新幹線を作っていこうよ」と言う計画があります。その壮大な構想の第一歩は、ムンバイ~アーメダバード間(500km)の新幹線です。

この、ムンバイ~アーメダバード間の新幹線は、日本が受注し、2017年着工、2023年開業予定となっています。

しかし、現地住民は新幹線構築に対して反対しており、工事が難航しているようです。
本日は、インド新幹線計画の基本知識から、現地人の反対の声などを記事にしました!

 

インド高速鉄道計画って何?

そもそも、いつ、どこから、インド高速鉄道計画が生まれたのでしょうか?

2014年、インドの総選挙において、二大政党であるインド人民党(モディ首相の党)とインド国民会議の両方が高速鉄道の建設を公約にとして掲げました。インド人民党は、「ダイヤの四角形」構想として、チェンナイ・デリー・コルカタ・ムンバイの四大都市を結ぶ路線網の建設を約束しました。

インド・鉄道「ダイヤモンド計画」
インド・鉄道「ダイヤの四角形計画」(本当出来るの。。。?)

 

 

ムンバイ~アーメダバード間の高速鉄道を日本が受注

上記の「ダイヤの四角形計画」のうち、最初の区間が、ムンバイ~アーメダバード間です。
こちらは、フランスや中国を破り、日本が受注することになりました。
つまり、日本方式の新幹線がインドで作られることになったのです。

また、技術の提供のみならず、日本政府は、総工費1兆800億ルピー(約1兆8600億円)のうち8800億ルピー(約1兆5000億)を円借款として支援することにしました。(なんとしてでも受注したかったんですね。)

このムンバイ~アーメダバード間の新幹線は、2017年着工、2023年開業の予定です。

インド〜アーメダバド間 新幹線
インド〜アーメダバド間 新幹線

 

ムンバイ~アーメダバード間に新幹線が必要なのか?

これ、私が一番気になっているところです。

モディ首相が率いるインド人民党が鉄道を作りたいのも、日本が新幹線を受注したのも、「政治的要因」なんですよね。じゃあ、本当に、ムンバイ~アーメダバード間に新幹線が必要なのか?と言われると、私は「NO」じゃないかなと思います。

そもそも、ムンバイ~アーメダバード間に新幹線が開通しても、「誰が使うの?」って言う話なんですよ。

こちらは、現在、ムンバイ~アーメダバード間を移動する際使用している鉄道&飛行機と、建設予定の新幹線を比べた表です。

待遇 金額 所要時間
寝台列車

最安値

スリーパークラス

(エアコン無し)

185ルピー(300円程度) 6時間〜11時間
寝台列車

最高値

一等席 2210ルピー(3500円程度)  6時間〜11時間
飛行機 3000円〜7000円 1時間15分
新幹線 5000円程度? 2−3時間?

 

まず、鉄道の庶民クラスは、目ん玉飛び出るほど安いです。
私も乗ったことがありますが、寝台列車は安くてローカルの生活に根付いています。
300円と言う破格だからこそ、「出稼ぎ労働」しながら「家族に会いに頻繁に実家に帰る」ことがが可能なんですよね。

また、調べてみて分かったですが、ムンバイ~アーメダバード間の飛行機は、事前に予約しておけば非常に安いです。フラッグ・キャリアである「エア・インディア」がかなり競争的な最安値を出していますし、「JET AIRWAYS」「IndiGo」「Go Air」などの格安キャリアも同様に安いです。

 

まとめると、建設予定の新幹線は、
価格面:鉄道には歯が立たない。飛行機も事前予約の価格には勝てない。
時間面:飛行機には勝てない。
と、残念な結果になるのです。

「それでも新幹線を使いたい」と思うケースは、下記の3つが考えられます。
①直前で飛行機のチケットが新幹線チケットより高い場合
②お金を払ってでも出来るだけ早く移動したいけど、飛行機に何かしらの理由で乗れない
③新幹線が途中で停止する駅(ムンバイとアーメダバードの中間)が目的地であり、お金を払ってでも早く移動したい(超田舎の駅で降りるお金持ちはあんまりいないと思いますが。。)

しかし、この3つに当てはまる人は少ないと思います。

これを見て、「誰が使うの。。。。?」って思ってしまいませんか?

もちろん、新幹線を好んで使用する人は一定数いると思います。
でも、巨額の投資を回収出来るほど、多くの人々が使うとは思えないんですよね。。。

インドの鉄道(普通はここまで人はのってないよw)
インドの鉄道(普通はここまで人はのってないよw)

 

 

現地の「新幹線反対」の声

 

新幹線を500kmにわたり建設するのですから、現在そこに住んでいる人、土地を所有している人は、他の場所に移動する必要があります。しかし、2018年3月より、住民の「土地収用反対」の抗議が続いています。

2018.7.18のSankeiBizさんの記事では、下記の記述があります。

同州で農民らの権利拡大を求める団体の職員、ブリアン・ロボさん(56)は「(計画は)農民に何の利益ももたらさない」と批判。「抗議活動の参加者は5万人程度に上る」と述べた。 同州で農民らの権利拡大を求める団体の職員、ブリアン・ロボさん(56)は「(計画は)農民に何の利益ももたらさない」と批判。「抗議活動の参加者は5万人程度に上る」と述べた。
一方、インド鉄道当局の責任者は「いくつかの場所で問題に直面しているが、いずれ解決される」と話し、予算や着工予定時期などは見直さない姿勢。抗議行動には「政治的背景がある」とも指摘する。だが、解決策については「話し合いを続ける」とするだけで、収用に伴う住民の移住計画なども示していない。(パルガル 共同

「移住計画示してないんかい!」ってツッコミ入れたくなりましたが。。。
やはり、「インド人の生活のためにならないプロジェクトだ」と言う思いが強く、そんなもののために立ち退きたく無いという考えが大きいようです。一方で、抗議活動の理由の一つとして「立ち退き額を釣り上げたい」という思惑も勿論あると思います。

 

2018.9.20日の記事によると、
1000人の農民が、「新幹線のための立ち退きを拒否し、かつ、新幹線計画そのものの中止を求める」と言う内容の宣誓供述書に署名し、グジャラート州の最高裁判所に提出したそうです。
また、立ち退きに際して、本来あるべき話し合いが行われていないこと、代替の土地が用意されていないことにも、言及されています。

 

「最新の安全な鉄道を導入する!」と言う華々しい政府の宣言の裏には、このように実際の国民の生活が脅かされているのです。

 

 

これから新幹線計画はどうなるの?

日本政府を巻き込んで、「新幹線作ります!」と計画を進めている手前、中止されることは無いでしょう。反対活動をしている人々には、現状の提示額よりも多い立ち退き料金を支払って(または支払わずに強制的に)立ち退いてもらうことになると思います。

ただ、すでに着工が遅れているようなので、完成時期も遅れることが予想されます。
(新幹線に限らず、インドは色々遅れるしね。)

日本人の税金が使われているプロジェクトです。(円借款だから返してもらうけど。)
(私の個人的意見ですが、)インドの貧困解決に繋がるプロジェクトならまだしも、ローカルインド人が望まないプロジェクトに税金を使うのは、やめてほしいです。

勿論、新幹線構築により一定の雇用は生まれますし、悪いことばかりではないと思います。
しかし、インドには国内に様々な問題を抱えているのですから、「税金を使う」「雇用を生み出す」先としては新幹線以外にも他のもっと有意義なものがあったのではないでしょうか?

インドも日本も、政治的思惑ではなく、「実際の国民に根付いた税金の使い方」を真剣に検討していただきたいと思います。

 

おしまい。

※今日は、マヨの意見を前面に出した記事になっています。反対意見がある人は、遠慮なくツイッターに書いていただけると、きちんと読ませていただきます!