地上の星たち(Taare Zameen Par)アーミルカーンの初監督&主演(インド映画)

アーミルカーンの初監督&主演のインド映画、地上の星たち(Taare Zameen Par)を紹介します!とっても感動的なインド映画ですので、ぜひ見てくださいねー!

 

キャスト&監督

Darsheel Safary

代表作:
Bumm Bumm Bole(2010)
Zokkomon Kunal(2011)
Midnight’s Children(2012)

 

Aamir Khan

代表作:3idiots(2009)
PK(2014)
他、多数

 

監督: Aamir Khan
Amole Gupte

 

あらすじ

主人公のイシャーンは、識字障害を持つ少年。母親は一生懸命イシャーンに勉強や身の回りの管理などを教えるが、イシャーンなかなか学ぶことができない。父親はイシャーンを怒ってばかり。兄は成績優秀で運動神経抜群の思いやりのある少年。イシャーンは勉強は苦手であったが、非常に独創的でお絵描きは得意だった。

学校の教師はイシャーンを「やる気がなく、落ち着きのない問題児」としてキツくあたる。
テストの成績が悪く進級できないイシャーンは、学校から「特別な学校」への転校を進められる。怒った父親は、イシャーンをどうにか勉強させようと全寮制の学校に転校させる。
しかし、全寮制の学校でも教師はイシャーンを「問題児」として扱う。家族に見放され、教師にキツく当たられたイシャーンは次第に心を閉ざし、大好きなお絵描きもやめてしまうのだった。

そんな時、臨時教師として一風変わったピエロ(美術の先生)が現れる!
美術の先生はイシャーンに識字障害があることを見抜き、イシャーンが理解しやすい方法で勉強を教える。その結果、イシャーンは「学ぶ」ことを受け入れ、閉ざしていく心も再び開いていくのだった。

 

障害を持った子供への社会の目

インドでは、「社会の目」を非常に気にします。
インドでいう「社会」は、同じ集合住宅、同じ村、親戚などある一定のコミュニティを指します。
このコミュニティ内ではつながりが強いですが、その分、「ノーマルでない」人がいるとすぐに噂が広がり「のけ者」扱いをされる傾向にあります。

例えば、インド社会では古くからお見合い結婚が好まれ、未だに恋愛結婚には反対する人がいます。もちろん、婚前交渉なんて論外。(都市の若者の間では恋愛結婚も普通になってきていますが、インド全体でみると僅かです。)そんな状況で、集合住宅の中を若い男女が手をつないで歩いたりなんかすると、たちまちウワサ話広がってしまいます。そして、その当人やその家族は肩身の狭い思いをするのです。

これは、身近な一例ですが、インドでは変わった人・行為はコミュニティで煙たがられるという傾向が非常に多いと思います。

この慣習は障害者に対しても同様です。
私が知り合いのインド人の家にお邪魔した時、障害を持った女性がベッドの片隅にいたのですが、ほぼ部屋から出ずに隔離されたような生活を送っていました。家主と話していましたが、彼女については一言も触れず、まるで彼女がいないかのように振舞っていました。全ての障害者の家庭でそういう扱いをしているわけではないと思いますが、その時私はインドのダークな一面を見たような思いでした。
また、コミュニティ内で障害をもった人の話をするときには「触れてはいけない」雰囲気の口調になることが多いと感じました。

このような文化の中で、「ノーマル」であることはとても重要とされてしまいます。
映画でも、「うちの子がノーマルじゃないと言っているのか?」と父親が怒るシーンがありました。こうして、「ノーマルでない」ことを受け入れられないために、特別扱いできず、結果的にその子に合った対応ができないという状況があるようです。

こうした社会問題に疑問を投げかけるためにも、アーミルカーンはこの作品を制作したのかなと思います。

 

 

数多くの賞を総なめ

この映画は、作品として数多くの賞に輝いただけでなく、
子役のDarsheel Safary と Amir Khanは俳優としても多く受賞しています。

確かに、二人の演技は本当にすごかった!!!
Amir Khanは、3idiotsなどいろいろな作品で名演技を披露してくれていたこともありそれほど驚くほどのことではありませんでした。が、子役のDarsheel Safaryは、弱冠9歳にして、障害を持っている子供の挙動、無邪気に遊ぶ様子、家族と離れて心を閉ざしていく様子などを見事に演じており、非常に素晴らしかったです。

面白いエピソードがあります。
Darsheel Safaryが、子役賞に選ばれ、Amir Khanが男優賞に選ばれた時のこと。
Darsheel Safaryが「 I should have been chosen the best actor, not the best child actor. I am the hero, not Aamir.」と言ったと報道され話題を呼びました。

しかし後に確認したところ、「That’s obviously his statement, not mine, because his performance in the film was at par with that of Aamir. You know Aamir, he demands perfection and that’s what he got.」と発言を否定し、Amir Khanのすばらしさを褒めたたえたそうです。

どちらにせよ、Darsheel Safaryがただ物でないことが伝わってきますね。。。

 

 

まとめ♪

長くなってしまいましたが、この作品は踊りや歌で盛り上がるというわけではありませんが、非常に興味深く、心打たれるものでした。

皆さんもぜひ一度、見てみてください。
Netflixを契約している人はNetflixで視聴可能です。
DVDを購入する場合は、アマゾンから購入可能です。

 

 

・大阪大学ヒンディー語専攻卒業 →1年半インドに留学(その間大学は休学) ・現在外資系コンサルタント1年目

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