山上舜君は、大阪大学ヒンディー語専攻出身。
そう、私のクラスメートでした!
彼は、大学卒業後、新卒でインドのITサービス企業の日本法人に入社。
入社後、僅か半年でインド駐在(バンガロール)をスタートしました。
今日は、そんなユニークな経歴を持つ山上君に、インド生活・仕事について、インタビューしたいと思います!
インド駐在の経緯
山上君:
確かに、大学時代にインドに行った時は、財布盗まれてお腹壊して本当にインドが嫌になりました。そして、日本食しか口に合わないことを再確認しましたね(笑)
しかも、僕はパクチーが食べられないのでインド料理はほとんど食べられませんでした。
インドを100%好きだとは言えない僕でした。
ただ、やはりヒンディー語を大学で専攻していた縁を大事にしたかったのと、ヒンディー語というアドバンテージを生かしながら仕事をしたかったので、ボストンキャリアフォーラムで現在の勤務先企業を見つけた時に、「受けてみよう」と思いました。
入社後、インドに短期で研修に行く機会があったのですが、そこでヒンディー語を生かす場面がいくつかありました。それ以降は、社内で「ヒンディー語が話せる人」として認知されていました。弊社では、僕の代から若手がインドに駐在するプログラムができたのですが、その際、周囲に「ヒンディー語ができるんだから、行って来い」と激しく推薦していただき、インド駐在を決めました。
インドでの仕事
また、1番のカルチャーショックは何でしたか?
山上君:
まず、僕が働いているフロアには、日本人は1人でインド人は80人ぐらいいます。完全に商習慣がインドなので、大きなカルチャーショックを受けました。日本ので働いていた時もインド人との関わりは多かったのですが、日本にいるインド人は日本の商習慣に順応しているので、カルチャーショックは少なかったですが、本場のインド人はやはり違いました(笑)
1番のカルチャーショックは、アジャイル開発の進め方でした。
アジャイル開発とは、何かを開発する時に、「顧客と定期的に方向性や完成度を確認し、適宜要件・方向性を修正しながら開発する方法」の事です。
日本では、「全てを時間内に完了する事」がとても重要視されますが、インド人は「顧客の要望に応える事が期限よりも大事。顧客の要望に変化があり修正・追加の開発が必要ならば、期限が延びても仕方がない」と考えています。
また、期限遵守の感覚が薄いため、日本人よりもフレクシブルな働き方ができています。この働き方にも大きなカルチャーショックを感じました。
他にも、個人の所有物を許可なく使うところや、「ありがとう」「ごめんなさい」を言わないところにも最初はショックを受けました。でも、大学の授業中に「インド人は所有の概念が薄いんだよ。」とか「インド人は友達に対していは謝ったりお礼を言う必要はないと考えているよ。」とかいう話を教授から聞いていたので、「文化だからしょうがないか。。。」と思って怒らず受け流すようにしました。
インド駐在で、一番学んだ事、勉強になったことは何ですか?
山上君:
ビジネス的にインド人とコミュニケーションをとるのが上手くなりました。インド人と仕事をしていると、依頼した期限までにタスクを完了してくれない事が多いです。
この事を、勤務先の日本法人で働くインド人(日本の商習慣に馴染んでいる)に相談した事があるのですが、彼曰く、「インド人は、この仕事が重要で期限内に必ず必要である事を大きく強調しない限り、優先度が低いものと捉える。だから、何かタスクを振る時には、その重要さを強調しなさい。そうすると、期限を守ってもらいやすい。また、これは一度強調すればどのタスクに関しても期限を守ってくれるわけではない、タスクを振るたびに、何度も強調しなさい。」と言われました。このアドバイスを元に、インド人とコミュニケーションをとる事で、仕事が回りやすくなりました。こういった、異文化でのマネジメント能力は大きく延びたところだと感じています。
一方で、日本で主に学んでいた、いわゆる「コンサルスキル」に関しては、インドでは学ぶ機会が少ないと感じています。仕事の内容が「THE コンサル」ではないのと、労働時間の多くが、マネジメントに費やされるからです。そもそも、インドで残業はほぼしていないため、絶対的な労働時間が少ないです。残業をしたくても、他のインド人がオフィスからいなくなるので、残業したところで仕事を進められない事が多いので。いずれ、日本に帰国して「インド関連スキル」と言う付加価値なしで働く場合を考えると、通常の「コンサルスキル」を自己学習で補う必要性を感じています。そのため現在は、自宅でオンラインで、データアナリティクスの授業を受講しています。
インドでの生活
住んでいるところとか、食べている物とか。。
山上君:
基本的には、ホテルで暮らしています。高級ホテルではありませんが(笑)
ご飯は、
朝:パンとバナナとヨーグルト(ホテルの朝食。インド料理の種類は豊富だが、朝からインド飯は食べられない。)
昼:インド料理か、ケンタッキー、たまにちょっとお高いイタリアンにも行く
夜:毎日パスタ(パスタは現地購入、ソースは最初はインドで買っていたが、最近は日本のパスタソースを大量に送ってもらった)
僕は基本的に、「日本米がないと生けていけない症候群」でしたが、これは克服しました(笑)
人間、環境が変わると、順応するんですね。
インド料理で好きなのは、チキンビリヤニです。
ただ、食生活が偏っていて太ってきたので、最近はジム(ホテルとオフィスにあり、無料で使用可能)に行くようにしています。
交通手段は基本的にウーバーかオラです。
リキシャは緊急事態以外は乗らないですね。バンガロールのリキシャは、カンナダ語が話せないと値段交渉が不利なので、ウーバーやオラの方がかえって安いです。
ちなみにですが、日本に彼女さんがいたと思うんですが、遠距離恋愛ですよね?まだ続いてますか?
山上君:
続いてますよー!
日本で2年ほど付き合ってからの赴任だったので、安定しています。
一時帰国まであと4ヶ月なので、ひとまず遠距離恋愛乗り切れそうです(笑)
インドでの駐在・就職を検討している人へ
山上君:
僕は、インドの全てが好きなわけではありません。クラクション、渋滞、一人一人の話し声が大きいところ、人の話を途中で遮るところ等々、嫌いなところは挙げだしたらキリがありません。しかし、僕は単純にインド人の人としての暖かさ・魅力はとても好きです。だからこそ、インドオタクのようにインドの全てが好きでなくても、こうしてインド駐在を楽しむことができています。
インドで働いてみたい、でも、インドという環境を好きになれるか自信がない、という人は多いと思います。僕の意見としては、インフラの未発達や文化・慣習などを、「しょうがないもの」と受け入れ、それ以外の魅力を楽しむことができるならば、インドでもたくましく活躍できると思います。
終わりに
いかがでしたか?
インドの事を100%好きでなくても、日本米を誰よりも愛していても、インド駐在を逞しく楽しんでいる山上君の姿を見て、「私もできるかも?」「挑戦してみようかな?」と思ってくれる読者がいるのではないでしょうか?
インド駐在・インド就職を検討している人は、参考にしていただけると幸いです。
では、またねー!!